[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <1面>

麻生外相が印外相に 米印協定で「日本の立場は検討中」

ASEAN関連外相会合に出席するためフィリピンのマニラを訪れていた麻生太郎外相は1日、現地でインドのムカジー外相と会談を行った。

数日前にまとまった注目の米印原子力協力協定についてムカジー外相からは、「IAEAとの保障措置協定策定および原子力供給グループ(NSG)のガイドライン改正に向けて関係国の支持獲得に努力していくつもりであり、日本の支持をお願いしたい」と述べたのに対し、麻生外相は「本件に対する日本の立場は検討中」と述べた上で、IAEAとの交渉などについてインド側からの情報提供を要請した。

会談ではまず、ムカジー外相から、今月21日から23日まで予定されている安倍首相の訪印について、昨年12月のシン首相訪日時に合意した「戦略的グローバル・パートナーシップ」を推進する観点から重視している旨を述べた。

麻生外相からは、総理訪印の際に100名を超える経済ミッションが同行することを紹介した。

気候変動問題についてムカジー外相は、「国際社会として取り組むべき課題と認識しているが、途上国にとって開発の目的も忘れてはならず、その観点からクリーンなエネルギー技術の移転が必要だ」とした。麻生外相も、安倍首相が提案した「美しい星50」に対するインドの積極的な検討を要請しつつ、エネルギー効率の分野でインドに協力していきたい旨を述べた。


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