[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <1面>

IAEA調査団 現地調査を開始

新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原子力発電所への影響に関して、IAEA調査団が5日に来日、主に耐震分野を視点に、現場視察、ヒアリングを開始した。調査活動は10日まで行われ、事実関係を把握、知見を抽出し、IAEAとしての報告書をまとめる。

泉田裕彦・新潟県知事は7月23日の臨時会見で、「世界の目で見て何が起きているかということを正しく発信してほしい」と述べ、国際機関による調査の意義を強調している。原子力安全・保安院は7月20日に、IAEAからの柏崎刈羽発電所の調査要請に対し、受け入れる旨を表明、具体的調整に入っていた。

IAEAは04年に、安全レビュー活動として運転管理評価チーム(OSART)を、同発電所へ派遣し、約3週間にわたる評価活動を実施した。評価結果では、「プラント運転上の安全性改善に非常に熱心かつ固い決心を持って取り組んでいる」と全般として良好な結論を示す一方、火災防護の組織・訓練、可燃物や防火扉の管理を強化すべきといった改善推奨事項も指摘している。


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