[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <2面>

原子力委専門検討会 原子力試験研究を改組へ 競争的制度で大学にも開放

原子力委員会・研究開発専門部会の原子力試験研究検討会(座長=岩田修一・東京大学大学院教授)は2日、文部科学省が検討中の原子力試験研究の新制度について審議し、競争的制度の導入など、その骨子を了承した。

原子力試験研究は各府省所管の試験研究機関による原子力利用研究について、文科省が予算(一般会計、今年度約10億円)を一括計上、必要に応じ各府省に移し替える制度。制度発足から50年を迎えたが、利用機関が限定され、総合科学技術会議もB評価とするなど、文科省は「制度疲労を起こしている」とし、「発展的改組」を検討してきた。

今会合で示した新制度案は、先端的基盤研究(11年度終了予定)、クロスオーバー研究(08年度終了予定)は継続し、新プログラムとして、@戦略的原子力共同研究A研究炉・ホットラボ等活用研究B若手原子力研究――を開始するというもの。これにより大学などにも開かれた競争的制度に改革するとしている。

戦略的共同研究は、国の政策ニーズに基づき明確化されたテーマ設定に従い、幹事機関を中心とした複数機関連携による研究活動を推進。ホットラボ等活用研究では施設を保有する機関と外部機関の共同研究を促進。若手研究は原子力研究者の育成も目指し、革新的研究を支援する。

また文科省は本制度の事務を科学技術振興機構(JST)に依託し、エネルギー対策特別会計の公募事業と一体で運用する方針も示した。


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