[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <2面> |
原子力委ヒアリング 経産省が方針 バーチャル処分場など要求原子力委員会は先月下旬、関係各省庁に対して来年度原子力関係予算の概算要求方針についてヒアリングを実施した。各省庁とも基本方針を今月末の概算要求に反映させる。 文部科学省の重点施策は、@重要プログラムの推進として、FBRサイクル実用化研究、高レベル放射性廃棄物地層処分研究A原子力の裾野の維持拡大として、基礎的・基盤的研究へのファンディング充実、原子力・エネルギー教育支援、専門人材養成B先進的原子力科学技術への挑戦として、ITER/BA計画の主導的推進、J−PARCのビーム供用開始C地域共生として、耐震安全対策、地域発展に向けた取組みへの支援D戦略的国際展開として、米仏との協力と競争、中国・ロシア・東南アジア諸国などとの協力ERI・研究所等廃棄物の円滑な処分に必要な環境整備――など。 経済産業省は同じく安全確保対策、放射性廃棄物対策、原子力立地促進、原子力産業の国際展開支援及び国際協力への対応――などを挙げた。 放射性廃棄物対策では新規に、地層処分概念理解促進事業と地層処分実規模設備整備事業を要求する。処分事業の超長期の安全性について理解を深めるためのバーチャル処分場を構築するとともに、実体験を通じて理解できる実規模の実証設備を整備するための準備を開始する。 世界標準の獲得を目指す次世代軽水炉は今年度までの2年間のフィージビリティー・スタディーを踏まえて、本格的な開発活動を開始する。新規でIAEAの原子力発電導入基盤整備事業への拠出金も計上する。 |