[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <3面>

カナダ ニューブランズウィック州 新規建設に向けFS実施へ

カナダ・ニューブランズウィック州は1日、コンソーシアム「チームCANDU」の提案を受け入れ、ポイントルプロー原子力発電所2号機の増設に向けたフィージビリティ・スタディー(FS)を実施することを決定した。ACR1000型炉(120万kW)の採用を前提に、同2号機の事業面での成立可能性や環境面や地域経済に与える影響等を半年間検討する。250万加ドルと試算されるFS費用は、チームCANDUが全額負担する。

チームCANDUはカナダ原子力公社(AECL)、B&Wカナダ、GE日立ニュークリア・エナジー・カナダ、日立カナダ、SNCラバリン・ニュークリア社の5社から構成されている。AECLのK.ペトルニック最高執行責任者(COO)は、ニューブランズウィック州の決定を歓迎し、「FSにより、2号機の増設がニューブランズウィック州のエネルギー供給力と経済力の強化に寄与することが明らかになる」と自信を示した。

同州のS.グラハム知事も、FSの実施は重要なステップだとし、「原子力発電所の新規建設は多大な雇用を生むだけでなく、米国ニューイングランド地方のエネルギー供給源としてのニューブランズウィック州の地位を強化する」と、強い意欲を表明した。

また同州のJ.キアー・エネルギー相は、「チームCANDUとの共同作業を通し、ニューブランズウィック州がCANDU炉開発の研究拠点となりうる」と、教育分野への波及効果にも期待している。

同州は、電力供給に悩む米国ニューイングランド地方向けの電力輸出を強化する方針で、今年6月には同地方との間で、風力や原子力など温室効果ガスを排出しない電源にプレミアムを賦与する共通の電力市場創設で合意。同州がニューブランズウィック発電公社を通じて所有・運転しているポイントルプロー原子力発電所(CANDU、68万kW)の増設を視野に、ACR1000あるいは仏アレバ社製EPR(160万kW)を候補炉型として検討することを示唆していた。


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