[原子力産業新聞] 2007年8月9日 第2391号 <4面>

ハザマと高エネ研が開発 中性子遮蔽1.7倍のコンクリート

ハザマと高エネルギー加速器研究機構はこのほど、普通コンクリートに比べ約1.7倍の中性子遮へい性能を持ち、強度や長期的耐久性も普通コンクリートと同等以上の中性子遮へいコンクリート(=写真)を共同開発した。

新コンクリートは中性子を減速させる水素を多く含んだ特殊骨材と、中性子を吸収するホウ素を含んだ特殊骨材を使用する。同種の技術は以前から研究されているが、減速と吸収の両性能を持ち、高速中性子に対しても十分な遮へい効果のあるコンクリートの開発は今回が初めて。両社はシミュレーション解析により骨材量と遮へい性能を最適化、コンクリート製造方法も改良した。

コンクリート材料の製造コストは特殊骨材の分だけ上昇するが、コンクリート板製品では普通コンクリートの約2割増程度という。新コンクリートの使用により、従来と同等の中性子遮へい性能の場合、壁厚を約40%減少でき、基礎工事費の削減が可能になる。


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