[原子力産業新聞] 2007年8月23日 第2392号 <2面> |
安全委員会 06年版安全白書 総点検と耐震指針に焦点 中越沖地震の見解も添付原子力安全委員会は10日、06年版「原子力安全白書」をとりまとめ発表した。発電設備総点検および耐震設計審査指針の改訂に焦点を当てるとともに、新潟県中越沖地震に関しては、7月30日付で同委員会が決定した見解と今後の方針を添付した。 第1編の「原子力発電設備における過去の不正の総点検と今後の対応」では、原子力安全・保安院が昨秋より取り組んできた発電設備総点検の目的、経緯、結果、重要な事案の概要と、それを踏まえた国、事業者の対応について解説した。 安全白書は02年版で、「原子力の安全の意味と実践――原子力施設の不正を防ぐために」との特集を組んでいるが、総点検で明らかになった事案のほとんどは、それ以前に発生している。 今回の白書では、02〜03年の不正防止対策は「一定の効果があった」とする一方、再び不正事案が判明したことは、「基本姿勢をさらに徹底する必要を示すもの」と、原子力安全の一層の向上に向け、特に重要な点として、@事業者の自主的な取組と透明性の向上A現場の重視B事故・トラブル情報の共有・分析・活用――を掲げ、事業者による安全確保への着実な取組を求めた。 第2編の「耐震安全性に係わる安全審査指針類の改訂」では、昨秋の耐震設計審査指針改訂をとらえ、耐震安全性確保の基本的考え方を述べた上で、近年の地震に関する新たな知見、約4年間にわたった指針改訂審議の経緯、新指針の内容とこれを踏まえた国、事業者の対応について説明している。 |