[原子力産業新聞] 2007年8月30日 第2393号 <1面>

最長24か月運転めざす 定検間隔を個別設定 来年度から適用

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子炉安全小委員会保守管理検討会(主査=班目春樹・東大院教授)は23日、第6回会合を開催、来年度から施行する新検査制度における定期検査の間隔を審議した。保安院は今会合で初めてプラント毎に設定する定検間隔について、現在の13か月(一律)から、新たに18か月と24か月を設定する具体案を提示、同検討会もこれを了承した。24日開催の「検査の在り方検討会」でも、同案は了承された。

新検査制度では電気事業法で、国がプラント毎に定期検査間隔の区分を告示する。この区分が13か月以内、18か月以内、24か月以内の3つで、国が工学的余裕度を評価し、決定する。

一方、原子炉等規制法において、事業者は保全プログラムの基本的事項の1項目として原子炉停止間隔を設定、これを保安規定に盛込み、国に許可申請する。同間隔は原子炉を停止して行う必要がある点検間隔を機器・系統毎に評価、最短の間隔を基礎に燃料交換なども踏まえ定める。国の審査の評価対象は、定期事業者検査等の対象機器・系統で、審査基準は最短の点検間隔の妥当性など。定期検査間隔は、両法律の体系により原子炉停止間隔としてプラント毎に定まることになる。

来年4月の制度導入時には全プラントとも13か月の区分に分類、工学的余裕度の評価に必要なデータが整ったプラントから随時評価し、新しい区分が適用される。ただし保安院は区分の変更は保守的とし、13か月から24か月への変更は認めないとしている。

新たに18か月と24か月を設定する根拠として保安院は、学協会の検討実績および諸外国の設備点検頻度に関する制度と運転実績を挙げた。学協会では発電技術検査協会と日本機械学会が検討、それぞれ18か月、2年程度の連続運転が可能としている。米国では24か月、フランスでは18か月の連続運転が行われ、運転期間の増加に伴う機器の故障の増大は認められていない。

保安院は制度改正に必要な省令案を9月中に作成、パブコメに付した後、年内に代表的なプラントによる制度運用の試行を行い、その結果を踏まえて保全プログラム・保全計画の作成、ガイドライン・審査基準などを整備する予定。

また今会合では電事連が原子炉停止間隔設定においてクリティカルとなる点検項目の検討状況も説明。毎サイクル保全を実施している3,500から5,000機器に関し、保全内容とプラント停止との関係の評価を進めていることを紹介した。


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