[原子力産業新聞] 2007年8月30日 第2393号 <1面>

日印首脳 電力インフラで協力へ 原子力の重要性では合意

安倍晋三首相は21日からインドを訪問し、22日にマンモハン・シン首相との首脳会談(=写真)を行い、「新次元における日印戦略的グローバル・パートナーシップのロードマップに関する共同声明」、「日本国政府とインド共和国政府による環境保護およびエネルギー安全保障における協力の強化に関する共同声明」を発表した。

ロードマップ共同声明では、「民生用原子力協力」として、両首脳は「原子力エネルギーが地球規模で増大するエネルギー需要に対応するための安全かつ持続可能な汚染のないエネルギー源として重要な役割を果たしうるという認識を共有した」としたうえで、7月の米印原子力協力協定の締結に関しては、「適切な国際原子力機関(IAEA)保障措置の下における、インドに関する国際的な民生用原子力協力の枠組みに関する、関連する国際的な場における建設的な議論への期待を表明した」と述べるにとどまった。

「軍縮・不拡散」では「大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散を強く懸念しつつ、軍縮における協力を継続し、拡散に立ち向かうパートナーとして取り組んでいく意思を確認した」とした。

環境とエネルギーの共同声明では、「国連気候変動枠組条約の原則に沿う形での、すべての国が参加する温暖化対策のための2013年以降の柔軟、公正かつ実効的なグローバルな枠組みおよび国際的な協調行動への決意を表明した」と述べている。また、インドでの発電、送配電を含む電力部門のさまざまな分野への日本企業の参入の可能性も歓迎している。


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