[原子力産業新聞] 2007年9月13日 第2395号 <1面>

廃棄物小委 処分場の文献調査 国が申入れも可能に

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の放射性廃棄物小委員会(委員長=森嶌昭夫・日本気候政策センター理事長)は12日、「最終処分事業を推進するための取組みの強化策案」を取りまとめた。前会合で審議した骨子案に沿っているが、より国が前面に立つべきとの意見を反映し、立地に関心を示す地域に対し、「国が文献調査実施の申入れを行うことも可能にすべき」との内容を盛込んだ。

国が最終処分施設の立地に関心を示す自治体に、文献調査実施の申入れを行うことを可能にするのは、自治体の同調査への応募を促進するため。これまで自治体が応募に向け具体的な検討に入ると、首長や議会は処分事業の必要性や安全性の技術的・専門的事項も説明責任を求められ、首長などの大きな負担になっていた。同調査に関心を示した自治体はこれまでに十数か所に上るが、こうした自治体からは実際に国の申入れを求める声もあったという。

エネ庁では関心を示していない自治体に、国から申入れることはないとしており、今後とも現行の公募制度を基本に、自治体の意向を尊重しながら、国が説明責任を負うとの観点から申入れを行う方針。

このほかの強化策案は、基本的に骨子案に沿い、@国民全般に対する広聴・広報活動の充実A地域広報の充実B国が前面に立った取組みC地域振興構想の提示D国民理解に資する研究開発及び国際的連携の推進ENUMOなど関係機関の体制、機能強化――などを打出した。 国民理解で地層処分を体感できる設備、シミュレーション技術を利用したバーチャル処分場の構築などを盛込んだ。近くこの報告書案をパブコメに付す予定。


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