[原子力産業新聞] 2007年9月13日 第2395号 <1面>

安全委員会 MOX工場で2次ヒア開催

日本原燃の核燃料物質加工事業(MOX燃料工場)に係わる原子力安全委員会(鈴木篤之委員長)主催の第2次公開ヒアリングが6日、六ヶ所村文化交流プラザで開かれた。6月に経済産業省から当該事業の諮問を受け、安全委員会が、地元住民の意見・質問を聴取し、2次審査に参酌することが目的。今回、青森県全域を対象に募集し、選ばれた13名が意見等陳述人として公開の場で発言した。傍聴人は約160名、会場周辺に目立った反対運動はなかった。

陳述人からは、施設の耐震安全性に関する質問が数多くあったほか、近隣の基地周辺を飛行する戦闘機墜落、臨界事故への不安、プルサーマル計画、立地振興策、燃料輸送の安全確保に対する要望などがあった。

意見陳述に先立ち、安全審査の概要を原子力安全・保安院より説明、耐震安全性については、新耐震指針の掲げる「より入念な調査」、「より厳しい水準」、「より高度な手法」に基づく、敷地周辺の活断層調査、格上げした耐震設計要求、高度化した基準地震動策定による詳細な評価を通じて、事業者による申請の妥当性に至った経緯を述べた。

住民から多くの質問があった中越沖地震を踏まえた対応については、原子力安全・保安部会に置かれた調査・対策委員会の検討で、当該事業に影響を与える新たな知見があれば反映していくと答えた。

終了後の会見で、鈴木委員長は、MOX燃料工場の着工予定が来月に迫っていることについて、「事業の推進を前提に審査しているわけではない」として、より慎重な審査を行う考えを明らかにした。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.