[原子力産業新聞] 2007年9月20日 第2396号 <2面>

原産協会 在日大使館と初の連絡会 中越沖地震の影響に答える

日本原子力産業協会は14日、都内の協会会議室で在日外国大使館・代表部の科学技術担当者などとの初めての連絡会を開き、欧米、ロシア、南アなどから18か国・地域の関係者が出席した(=写真)。

今回は新潟県中越沖地震での柏崎刈羽原子力発電所への影響について服部拓也理事長が説明。同理事長は、「運転中だった4基の原子炉は自動的に緊急停止し、送電系統が機能していたことから、非常用ディーゼル発電機に依存することなく、外部電源を使って、その後も順調に冷温停止(冷却水温度を100℃以下にすること)にまでもって行くことができた」と強調した。

地震の揺れは、強い波が約10秒間、全体では最長15秒続き、強さは1号機の地下岩盤上部で設計値の約2.5倍に達した、と説明した。

柏崎刈羽原子力発電所が7基すべて停止したことで、東京電力管内の電力需給は逼迫し、8月22日には17年ぶりに一部の電力顧客に需要抑制を要請するなど、厳しい情勢であったことを紹介した。

電力関係者や家族も被災者になったこともあり、当初十分な対応が取れなかった面もあるとしながらも、反省点として、@所内変圧器の火災が約2時間も続いたA所内防災体制が不備であったB地域とのコミュニケーションが不足した――ことなどを挙げた。

一方で同理事長は、当日は祝日でもあったことから同発電所内には作業員が約100名程度と少なく、ある意味では幸いしたと言えるかもしれないとし、平日の勤務日であれば1,000名程度の作業員がおり、負傷者が多く出たかも知れない、と付け加えた。

大使館関係者からは、メディア対応、規制当局の対応などについて質問が出された。理事長は、「情報を規制当局に出すのみならず、公衆への伝達も考えなければならないが、第1報を早く正しく出すことが重要だが、言うは易く実際は難しい」と語った。


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