[原子力産業新聞] 2007年9月20日 第2396号 <4面>

原技協、米NEIに柏崎刈羽原発状況を ボウマン会長「勉強になった」

日本原子力技術協会は石川迪夫理事長が8月下旬に訪米し、ワシントンDCの米国原子力エネルギー協会(NEI)で、柏崎刈羽原子力発電所の新潟県中越沖地震後の状況を説明したことを、このほどホームページ上で公表した。

出席したのはNEIの幹部をはじめ、原子力発電運転協会(INPO)、電力研究所(EPRI)、エクセロン社、オンタリオ電力、GE社、WH社のほか、現地の東京電力や三菱重工業などの日本企業、さらに米政府からエネルギー省、原子力規制委員会も参加し、約35名が出席した(=写真)。

石川理事長は、「数十の損傷が報告されているが、7つの号機は安全な停止状態を維持しており、この事実は、原子力発電所の設計や建設の安全性を実証しているものであり、自信を共有したい」と述べたほか、「我々は、これらの成果に貢献した世界中の先駆者に感謝しないといけない」、「地震に伴う困難があったにもかかわらず、発電所を完全に守りぬいた発電所員に賞賛の意を表したい」と語った。

参加者からは、技術的な質問として、使用済み燃料プールの水が床面にあふれ出たことや、その水の海への放出量などについて質問が集中した。

最後にボウマンNEI会長が「たいへん良い勉強をさせてもらった」と挨拶したあと、日本からの情報が、損傷事例について毎日毎日小出しに出てきたり、情報が変ってきたりして、「これが不信感を招いている面がある」との指摘がなされた。


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