[原子力産業新聞] 2007年9月27日 第2397号 <3面>

BE社 新設オプションの堅持を要望 人材確保にも言及

英国の民間原子力発電事業者であるブリティッシュ・エナジー社(BE)は20日、原子力発電所の新設オプションを検討している英国政府に対し、新設オプションを凍結することのないよう強く訴える申し入れを行った。

申し入れの中でBEは、英国のエネルギー・セキュリティは危機的状況にあり、地球温暖化対策と共に決断を迫られていると指摘。エネルギー源の多様化を目指すためにも、電力会社による新規原子力発電所建設を妨げるべきではないと主張した。

同時に原子力発電は、再生可能エネルギーと並んで温暖化防止に対する切り札となることから、火力発電からのCO排出がコスト化された場合、原子力発電は十分にコスト競争力を持っており、政府からの補助金は一切不要だとあらためて強調した。

そして政府に対し、原子力発電にとって最も重要な課題であるバックエンド問題について、英国放射性廃棄物管理委員会の結論に従って深地層処分候補地の選定に積極的に取り組むよう要請した。

またBEは、「英国は原子力発電所の建設・運転に係る十分なスキルを有しているが、世界的な原子力ルネサンスの流れの中で、プラント建設や主要資機材の製造に関するスキルの需要が急速に伸びている」との認識を示し、英国の原子力産業界を魅力ある環境にし、人材流出を食い止める必要があるとの考えを示した。

原子力発電所新設に関する政府の最終判断は、年末に下される予定である。


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