[原子力産業新聞] 2007年10月4日 第2398号 <1面>

渡海文科相インタビュー 「もんじゅ」再開の意義強調 二法人統合会議の座長を経験

福田内閣の発足に伴い初入閣した渡海紀三朗文部科学大臣はこのほど、記者団のインタビューに応じ、今後の抱負などを語った。

旧科学技術庁時代は政務次官、文科省に移行してからは副大臣を務めた経験などから、「科学技術はライフワーク」とする渡海大臣、本人座右の銘の如く「自らの力を最大限に発揮したい」と意気込みを示した。

「日本の持つ科学技術を高めるには、文科省だけでなく、さまざまな取り組みを無駄なく総合していくこと」と述べ、かつてのバブル期の延長線上ではなく、他省庁、大学などと連携した効率的な研究開発体制作りを強調する。

文科副大臣の職にあった03年、当時の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の「原子力二法人統合準備会議」座長を務め、「わが国の原子力開発利用の新たな再出発」として、現日本原子力研究開発機構発足に向けた最終報告とりまとめに尽力。現在、中期目標期間を終了する独立行政法人も現れる中、「研究開発型らしい独法のあり方とはどうあるべきか」などと、行政改革の一環としての一律的な見直しには慎重な姿勢を見せる。

フランスの高速増殖炉スーパーフェニックスの視察経験もあるという渡海大臣、「原子力開発は常に説明責任が伴う」と述べ、高速増殖炉開発についても、「『必要だ』という論理だけでなく、日本は資源がなく原子力はエネルギーの選択肢として捨てられない」という国民理解を得る重要性を強調。

加えて、「他国で一度は中断したFBRが見直され始めた昨今、日本の役割は大きい。中でも『もんじゅ』の再開は何よりも重要だ」と、わが国のリーダーシップに期待する。

衆議院議員。自由民主党、兵庫10区。早大建築学科卒後、民間会社勤務を経て、86年に衆院初当選。科学技術政務次官、文部科学副大臣など歴任。59歳。


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