[原子力産業新聞] 2007年10月4日 第2398号 <3面> |
英コールダーホール炉 歴史に幕 冷却塔を爆破解体英国のセラフィールド社は9月29日、コールダーホール原子力発電所の冷却塔を爆破解体した。世界初の商業用原子力発電所で、コールダーホール型という呼称の由来となった同発電所のシンボルだった4基の冷却塔は、わずか数秒でガレキとなった。 コールダーホール1号機が運開したのは、1956年10月のことだ。世界初の商業炉であったため、運開セレモニーには女王陛下も臨席。原子力発電開発の先駆けとして、英国だけでなく世界から注目を集めた。 被覆にマグネシウムを採用した英国独自の金属燃料(マグノックス燃料)を装荷するガス冷却炉(マグノックス炉)で、出力は6万kW。同サイトではその後3基が建設されたが、2003年3月に全基が閉鎖された。日本初の原子力発電所である東海原子力発電所(出力16万6,000kW)に導入されたのも、このコールダーホール型である。 同サイトでは今後、ガレキの撤去作業、鉄筋とコンクリートの分離作業、敷地回復作業が実施される。なお英国では今年の5月にも、チャペルクロス原子力発電所の4基の冷却塔を爆破解体している。 英国のマグノックス炉閉鎖計画では、今後、オールドベリー発電所(23万kW×2基)が2008年に、ウィルファ発電所(56万5,000kW×2基)が2010年に閉鎖される予定である。 なおセラフィールド社は、ブリティッシュ・ニュークリア・グループ(BNG)の旧セラフィールド部門で、英原子力廃止措置機関(NDA)との契約に基づき、セラフィールド・サイトの運営・管理を担当している。同社は、NDAとの現行契約が満了する来年中旬をメドに、売却される予定だ。 |