[原子力産業新聞] 2007年10月4日 第2398号 <3面>

DOEの新設支援が具体化 リスク保険の条件付合意文書を規定

米エネルギー省(DOE)は9月25日、リスク保険契約の第1段階である「条件付合意文書」について、詳細を公表した。電力会社による建設・運転一体認可(COL)の申請や申請方針が発表される中、連邦政府による新規原子力発電所建設の支援が具現化してきた。

リスク保険(スタンバイ・サポート)とは、規制や訴訟による新規原子力発電所の運開遅れに伴うコストを補填するもので、2005年エネルギー政策法で規定されている。

保険対象は最初の6基に限定されており、原子力発電所の運開遅延による財政的損失について、計20億ドル(最初の2基に対し最高5億ドル、その後の4基にそれぞれ最高2億5,000万ドル)を補填する。

DOEは昨年5月に、リスク保険に関する2段階の手続きを規定。第1段階では、原子力発電プロジェクトの出資者は、COL申請をNRCに正式に受理された後、DOEと条件付合意文書を結ぶ。第2段階では、NRCからの許認可など必要な条件を満たした後、出資者とDOEは、リスク保険契約を結ぶ。

最初の6基の原子力発電所への出資者は、これらの条件を満たすことによって、運開遅延による損失に補填を受けることができる。

今回発表されたのは、第1段階にあたる条件付合意文書のフォーマット。同日にNRCへCOLを申請したNRGエナジー社が、対象第1号となると見込まれている。

なおリスク保険は、NRCの検査、試験、分析、合格基準、その他許認可審査の遅延、また公聴会や、州、連邦、部族による訴訟による遅延を対象としている。一方で、ストライキや気象など通常のビジネス・リスクによる損失や、出資者の行動によって左右できる事象による遅延には適用されない。

リスク保険が対象とする損失には、借入金の元本と利子、また、契約義務を満たすための代替電力の購入費が含まれる。


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