[原子力産業新聞] 2007年10月18日 第2400号 <2面>

電事連行動計画 CO排出20%減に「全力」 原子力利用率向上図る

産業構造審議会地球環境小委員会(委員長=茅陽一・地球環境産業技術研究機構副理事長)と中央環境審議会地球環境部会(部会長=鈴木基之・放送大学教授)は11日の合同会議で、「京都議定書目標達成計画」見直しに向けた産業界の自主行動計画フォローアップについて報告を受けた。

電力業界からは、森本宜久・電気事業連合会副会長が、中越沖地震の影響で停止している東京電力柏崎刈羽原子力発電所の状況について、設備の詳細な調査、点検を鋭意進めているが、現時点の再開見通しは「何とも言えない」と述べた上で、これまでの計画通り、CO排出量の90年度比20%削減を達成するよう、「全力投球する」と強調した。

電力供給側の取組としては、@安全確保と信頼回復を前提とした原子力発電の推進(CO排出原単位2〜3%程度向上)A火力発電熱効率のさらなる向上と火力電源運用方法の検討(同1%程度向上)B電気事業者による国際的な取組(同5〜6%程度向上)――を掲げた。原子力発電については、定期点検作業の改善、オンライン・メンテナンス、状態監視保全方式の導入検討、定格出力増強の検討などにより、設備利用率向上を図る。国際取組では、京都メカニズムなどの活用により、これまでの10年までに3,000トンCO削減から、大幅に拡大して12年までに1億2,000万トンCO程度の削減を見込む。

委員の秋元勇巳・三菱マテリアル名誉顧問(原産協会副会長)は、「原子力のCO排出抑制ポテンシャルは大きい」と述べ、柏崎刈羽発電所の早期再開を求めた。

この日会合では、電力の他、鉄鋼、化学、石油、製紙、セメントなどの業界団体がそれぞれ、地球温暖化対策への取組状況を報告した。


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