[原子力産業新聞] 2007年10月26日 第2401号 <2面>

服部原産理事長被災状況を視察 柏崎刈羽

中越沖地震から3か月を過ぎた22日、日本原子力産業協会の服部拓也理事長が柏崎刈羽原子力発電所を訪問し、高橋明男発電所長らから説明を受けた後、地震直後に所内変圧器で火災を生じた3号機を中心に現況を視察した(=写真)。

東京電力時代に柏崎刈羽建設所次長として91年から約2年半赴任し、3号、4号、6号、7号機などの建設に携わった経験を持つ服部理事長が、先週に柏崎市と刈羽村で東京電力が住民説明会を開催し、一区切りついたことから、今回の視察が実現したもの。

高橋所長は、「今後はぜひとも多くの人に発電所を見てほしい。特に女性達にも」と強調し、積極的に発電所見学を受け入れていく方針を明らかにした。

発電所では現在、原子炉の上蓋を開放し炉内点検を行ったり、主変圧器や所内変圧器を順次、製造メーカー工場に運び出して点検したり、そこここに発生した地盤沈下などで生じた段差の解消などに懸命に取り組んでいる最中。

サイト内では地盤調査のためのやぐらも組まれボーリング調査も始まっており、排気塔へのダクト破損部分などにはカバーがかけられている。

地震で内部がめちゃめちゃに壊れたり乱雑になった2階建ての事務棟の修復も徐々に進めており、現在はまだ隣接して仮設置した事務棟での作業を強いられている。

発電所で働く関係者の中にも家屋がかなりの損壊を受けた人々もいる。周辺の市街地は表面的には復旧がかなり進んでいるように見えるが、地震で倒壊した家屋がまだそのままの状態で残されている所もある。


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