[原子力産業新聞] 2007年10月26日 第2401号 <5面>

大学発展に日本の積極的参画を

夏季研修は今回が3回目。筆者は、その一端を垣間見たにすぎないが、すばらしい内容であると思う。良く練り上げられたカリキュラム、世界的な専門家を揃えた講師陣、実務経験、教育経験の豊富なメンター、運営を取り仕切る世界原子力大学とホスト機関の事務局団、そして主役である世界各国から集まった原子力界のリーダー候補生。

6週間の集合研修で学んで得た知識だけではない。その後の国際ネットワークの維持、活用は参加者にとって貴重な財産となる。学生同士の交流はもちろん、講師やメンター陣の国際ネットワークも築かれていく。

参加費用1人1万ドルには、6週間のホテルの滞在費、食事代も含まれていることを考えれば決して高くはないが、個人で負担するのは難しい。各機関がその価値を認識するかどうかだ。日本から参加されたお二人の所属機関の先見性に敬意を表する。

原子力大学はWNA、NEA、IAEA、WANOの幹部の強いイニシアティブで運営されている。日本は「原子力立国」を標榜して、これから大きく国際展開を図ろうとしている。今後ますます世界の舞台で活躍する多くのリーダーが育っていく必要がある。国内で、さまざまな場所で原子力の人材育成が議論されている。「百聞は一見にしかず」、日本の関係機関からも原子力大学へ積極的に入学(参加)してみてはいかがだろうか。


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