[原子力産業新聞] 2007年11月1日 第2402号 <3面>

イタリア 「原子力は危険」 政府見解は変わらず

イタリアの経済発展省のA.ジャンニ次官はこのほど、イタリア国内で原子力発電の再開を求める声が出ていることに対し、「1987年の国民投票結果は、そうやすやすと覆せるものではない」と指摘。「原子力発電は危険である」という従来からの政府見解に、揺るぎはないことを明言した。

イタリア国内では最近、ミラノ市営エネルギー会社AEMのG.ズッコリ会長が、政府に対して原子力発電プログラムの迅速な再開を要求している。

ズッコリ会長は「原子力発電は危険で高コストだという誤った思い込みを捨てるべき」と指摘し、イタリア北部での原子力発電所1基の運転再開と同3基の新規建設を提案していた。

これに関連して次官は、「原子力発電は建設/廃止措置/廃棄物管理といずれも高コストで、問題外だ」と強調。「太陽電池などの再生可能エネルギーに注力すべきだ」との見解を示した。ただし次官は、「次世代炉開発への参画は例外」としている。


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