[原子力産業新聞] 2007年11月1日 第2402号 <4面>

(写真記事)柏崎刈羽のいま 地震から3か月

「新潟県中越沖地震」発生から3か月が経過した。被災した世界最大の原子力発電所、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(7基、合計出力821万2,000kW)のいまをレポートする。

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7月16日午前10時13分ごろ深さ約17キロメートル地点で発生したマグニチュード6.8、震度6強の地震が柏崎刈羽原子力発電所(震央距離16キロメートル、震源距離約23キロメートル)を襲い、運転中だった2号(起動操作中)、3号、4号、7号機が「地震加速度大」の信号で緊急自動停止(スクラム)した。月曜日でも「海の日」の休日午前に最大級の地震が原子力発電所を襲ったが、稼働中の原子炉4基は正常に停止し、定期検査で停止中の3基の原子炉も含めて、安全上重要な設備に、これまでのところ大きな損傷は確認されていない。

各々の中央制御室で、制御棒が炉内に完全に挿入され、核分裂の連鎖反応が停止したことを確認した運転員たちは、次に原子核の崩壊熱を除去することに意を注いだ。

地震があっても、送電線系統は確保され、外部からの電気を使って冷却水を循環させながら、遅くとも翌17日午前7時前には、全4機が炉心冷却水を100度C以下・大気圧にまで減圧する「冷温停止」状態にもっていくことができた。この間、蒸気を逃がす安全弁が作動することもなく、非常用ディーゼル発電機を使用することもなかった。

4か月たった現在は、順次、原子炉内や主要機器などの詳細な点検を実施している最中だ。


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