[原子力産業新聞] 2007年11月8日 第2403号 <3面>

米国 TVAがCOLを申請 ベルフォンテ・サイトにコンソーシアムで

テネシー峡谷開発公社(TVA)は10月30日、米国で2番目となる建設・運転一体認可(COL)を、アラバマ州のベルフォンテ・サイトを対象に、原子力規制委員会(NRC)へ申請した。採用炉型はAP1000で、2基を建設する。早ければ2011年にもCOLを取得する見込みだ。

これはTVAが、ニュースタート・エナジー・デベロップメントの一員として申請したもの。

COLを取得した段階でTVAは、@自社のみで建設するA他社と共同で建設するBCOLを他社へ売却するC計画を凍結する――の4つのオプションを持つことになる。

ニュースタートは、原子力発電所の新規建設に向けた新しい許認可プロセスの実証を目的として設立されたコンソーシアムで、TVAのほかにコンステレーション・エナジー、デューク・エナジー、EDFインターナショナル・ノースアメリカ、エンタジー・ニュークリア、エクセロン・ジェネレーション、フロリダ・パワー&ライト社、プログレス・エナジー、サザン・カンパニー、SCANA社、GEエナジー、ウェスチングハウス社が参加している。

ニュースタートは、2002年に米エネルギー省(DOE)が発表した『原子力発電2010プログラム』を受け、2004年に発足。ベルフォンテ・サイトにウェスチングハウス社製AP1000を、グランドガルフ・サイトにGE製ESBWRを建設することを目標としている。

グランドガルフ・サイト(ミシシッピ州)への建設プロジェクトは、エンタジー社が主導しており、すでに今年3月に事前サイト許可(ESP)を取得済み。COLは2008年の申請を予定している。

COL申請に掛かるコストは、DOEとコンソーシアムとで折半されることになっており、コンソーシアム参加企業は低コストでCOLを申請することが可能になる。

TVAのB.マッカラムCOO(最高執行責任者)は、「ニュースタートの一員としてCOLを申請したことで、TVAは低コストで原子力オプションを保持することが出来る」と指摘。また、「COLを取得すれば、TVAは新規建設プロジェクトのコストやスケジュールについて、ある程度確実に見通すことが出来るようになる」とCOL取得の意義を強調した。


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