[原子力産業新聞] 2007年11月8日 第2403号 <3面>

米科学アカデミー 再処理より新規炉建設拡大

米科学アカデミーの検討委員会はこのほど、「米国は先進的再処理技術の開発よりも、新規原子力発電所の建設を加速させるべき」とした報告書を発表した。

同委員会はエネルギー省(DOE)の要請により、DOEの原子力研究開発プログラムを検討。DOEが掲げる国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)について、国際的なパートナーシップの構築に関しては言及を避けたものの、「先進的再処理技術の開発・実証は時期尚早で、事業規模での再処理施設建設の見通しが立たない」と結論。また、再処理によって高レベル廃棄物を減容させる必要があるとするDOEの主張について、「その必要性を議論するにあたり、十分な検討がなされていない」と指摘した。

一方で委員会は新規原子力発電所(軽水炉)を2010年までに建設するとした『原子力発電2010プログラム』を取り上げ、新規炉建設実現へのスケジュールが遅れていることは否めないと指摘。同プログラムへの予算をさらに強化し、スケジュールを加速する施策を講ずるべきだと強調した。


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