[原子力産業新聞] 2007年11月8日 第2403号 <3面>

ドイツ 高騰する電力価格 需要家が反発

ドイツの需要家団体である産業エネルギー・発電経済連盟(VIK)が、高騰する電力価格に対し激しく反発している。

VIKは、国内の電力価格が2004年から約40%上昇していると指摘。その原因として、@ドイツの電力市場が4大電力(RWE、Eon、EnBW、ヴァッテンフォール・ヨーロッパ)の寡占状態にあることA連邦政府が電力消費者に課す高率な税金―等を挙げた。またCO排出権取引の開始が、電力価格の上昇に拍車をかけているという。

VIKはまた、CO排出量を2020年までに1990年比40%削減するとした連邦政府の方針を「野心的過ぎる」と批判。ドイツはすでに省エネ分野で世界でもトップクラスであり、産業部門のエネルギー効率を毎年倍加させて40%の削減目標を達成させるという政府の方針は、電力集約型産業の国外移転を加速させるだけだと警鐘を鳴らした。

そしてVIKは、「連邦政府は再生可能エネルギーをビジネスとして成立させ、再生可能エネルギーへの補助金をカットすることをねらって、あえて電力価格の高騰を放置しているのではないか」とまで言及し、連邦政府に対する強い不信感をむき出しにしている。


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