[原子力産業新聞] 2007年11月8日 第2403号 <3面>

米マイアミでパトラム2007開催 日本も積極参加で存在感

「第15回放射性物質輸送容器および輸送に関する国際シンポジウム(パトラム2007)」が10月21日から26日まで米フロリダ州マイアミで開催された。

パトラムとは、放射性物質輸送に関わる各国の許認可当局、産業界、研究組織等の専門家が一堂に会し、輸送容器と輸送についての情報交換を行う、放射性物質輸送関連では最大の国際会議で、1965年に米アルバカーキでの第1回会合以来3年ごとに開催されている。

今回の会合は、米運輸省、米原子力規制委員会および米エネルギー省主催、核物質管理学会および国際原子力機関の協賛で行われ、参加者約700名、発表論文約300件と、過去最大規模となった。日本も準備段階から積極的に関与しており、関係機関・メーカーなどから60名以上が参加した。

シンポジウムは、毎日の全体会合、32の論文発表セッション、ポスターセッション、パネル討論、展示から構成され、熱心な発表、討議が行われた。

日本からは、原子力安全委員会によるIAEA輸送安全評価サービスの成果を含む我が国の放射性物質輸送状況の報告を始め、輸送物の試験、開発、運用等に関する33件の発表が行われた。なかでも、電力中央研究所による輸送・貯蔵容器の実規模試験の発表は注目を集めた。

併催された展示会(=写真)には日本から3社(原燃輸送、三菱重工業、木村化工機)が参加し、原燃輸送の多目的輸送船「開栄丸」の精密模型は、来訪者の目を引いた。

参加者、発表、展示とも開催国である米国が多数を占めたが、それ以外では、フランスのTNI/アレバグループが他を圧倒する参加者、発表数と大規模な展示等により、世界戦略の展開を誇示した。日本も米・英・仏・独と並んで放射性物質輸送を積極的に行う国として、その存在感を示した。

なお、次回は2010年に英国で開催される予定。


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