[原子力産業新聞] 2007年11月8日 第2403号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 定検ピーク、10月利用率56%に 美浜3は104%、事故からすっかり回復

日本原子力産業協会の調べによると、10月の国内全17原子力発電所の運転状況は、平均設備利用率56.3%と、中越沖地震による東京電力柏崎刈羽全号機停止に、定期検査入りに伴う停止炉の影響も加わり、前月の61.7%からさらに落ち込む低水準となった。設備利用率が60%を下回ったのは、関西電力美浜3号機事故の影響を受けた04年10月以来、3年ぶりのこと。これまでのところ、今年度の設備利用率は、昨年度から5〜10ポイント低い水準で推移している。

総発電電力量は、207億553万kWh(対前年同期比8.9%減)だった。

炉型別では、BWRが設備利用率41.2%であるのに対し、PWRが79.7%と、顕著な開きを見せている。

電力会社ごとにみると、特に、九州電力が玄海、川内(=写真)の計6基でフル稼働、両発電所合わせた設備利用率が101%と際立つ。関西電力も設備利用率100%超の発電炉が目を引く中、美浜3号機は同104.3%にまで達し、全発電プラント中で首位に立っており、04年の事故からすっかり回復したと見える。

今期、特段目立ったトラブルの発生はなかった。


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