[原子力産業新聞] 2007年11月22日 第2405号 <4面>

電気事業分科会 事業者取組み見守る 原子力の事業環境整備は進展

総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会と制度改革WGは15日、合同会議を開催し、同WGによる「電力の安定供給及び環境適合」および「電力市場の競争環境整備」の検討状況について意見交換した。原子力は、投資が円滑に行われるための事業環境整備を進めてきており、当面は事業者の自主的な取組みを見守るとしている。

同WGは安定供給及び環境適合に関し、非常時も含めた安定供給確保、自由化された市場での安定供給確保、電力分野の環境適合、需要家が需要を抑制するインセンティブの枠組みなどの議論を進めている。安定供給確保のためのバランスのとれた電源構成の議論で、原子力は「すでに原子力政策大綱の政策目標の達成に、全力で自主的に取組む旨の決意が電気事業者より表明され、原子力立国計画においてリスクの低減・分散、初期投資・廃炉負担の軽減・平準化等の事業環境の整備を進めてきており、まずは事業者の自主的取組みを見守りたい」との方向を示した。

PPS(特定規模電気事業者)など新規参入者は原子力を有しておらず、競争上不利になるとの指摘に対しては、「現下のPPSの制度面での位置付けを踏まえれば、当面は、相対取引を含め市場を通じた供給力確保による対応が適切」としている。

また環境適合に関して検討されている「COフリー」の電気の取引について、同WGは実験的な取組みの試行を提言しているが、電力の委員から事業者はミックス電源であり、「COフリー」として切り出すことは困難との意見が出された。

同WGは来月には最終的な検討結果を取りまとめる予定。


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