[原子力産業新聞] 2007年11月29日 第2406号 <2面>

加納参院議員囲み サミットへ向け環境セミナー

加納時男・参議院議員の国政参加10周年記念行事として、「洞爺湖サミットと地球環境問題」をテーマに、加納議員、茅陽一・東大名誉教授、評論家・ジャーナリストの木元教子氏による鼎談セミナーが26日、東京・港区の東京プリンスホテルで開かれた(=写真)。

茅氏は、独ハイリゲンダムサミットで日本が提案した50年までに世界全体でCO排出量を半減する「美しい星50」構想を実現するには、先進国の排出量をゼロ以下にとどめなければならず実現は容易ではないと指摘した上で、途上国の2050年の排出量は現在のまま推移すれば3倍に増えるところを各国の自主努力の総和で2倍程度に抑え、先進国は半減に努力すれば地球の平均気温上昇は3度C程度となり、目標の2度Cを上回るが何とか踏みとどまれる範疇ではないか、と述べた。

木元氏は、各国でその国の実態に合わせてエネルギーを「使う」のではなく、自然から「もらう」形を考え、エネルギー供給の世界的に見たベスト・ミックス推進を提唱した。

一方、加納氏は「炭素離れ」の具体策として、@エネルギー効率の改善が最も早く、安く、持続可能な方法で、セクター別に目標を立て協力し合って技術開発を進めるA大気熱を利用したヒートポンプなど再生可能エネルギーの活用B新技術開発で化石燃料のクリーンな使用C環境、エネルギー問題同時解決の切り札としての原子力発電――の4点を挙げた。

原子力発電については3氏とも、一致して温暖化対策の主軸に据えている。


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