[原子力産業新聞] 2007年12月6日 第2407号 <2面>

保安院 肉厚管理 全原子力プラントを対象に 配管曲がり部の評価指示

原子力安全・保安院は11月30日、BWRおよびPWRの原子力発電プラントを設置する全事業者に対し、公称肉厚の確定が困難な配管曲がり部などの肉厚管理を再評価するよう指示した。

肉厚測定実績が1回のみの部位を再評価し、余寿命が5年未満の場合、来年5月31日までに配管取替計画と取替までの検査計画の報告を求めている。

今回の措置は、関西電力・大飯発電所2号機のC系統主給水隔離弁下流にある配管曲がり部の実測最小肉厚が10.9mmと、技術基準で計算された必要最小肉厚15.7mmを下回ったことを踏まえたもの。同事象は先月7日に関西電力が保安院に報告、同22日には流れ加速型腐食(FAC)が原因とする報告書を提出した。

保安院は05年2月に、寸法許容差の上限と下限を考慮した平均厚さ(公称肉厚)に基づく配管の余寿命評価方法を指示。今回、JIS規格呼び厚さを公称肉厚として使用できず、同肉厚確定が困難な配管曲がり部に関し、追加的に評価方法を指示した。

保安院では今回の指示に先立ち、各事業者の曲がり部などの肉厚の測定状況を調査した。その結果、1回も測定していない部位は存在しなかったため、測定実績が1回のみの部位についての再評価を求めた。2回以上実施している場合は、この変化量から減肉率を算出できるため、公称肉厚に関係なく余寿命を評価できる。

なお、公称肉厚の確定が困難な配管曲がり部とは各種エルボ、T管、レジューサなど。


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