[原子力産業新聞] 2007年12月6日 第2407号 <4面> |
【わが国の原子力発電所運転速報】PWR利用率80%超す 11月利用率57%、前月から横ばい日本原子力産業協会調べによると、11月の国内原子力発電所の運転状況は、平均設備利用率56.6%と、3年ぶりに6割台を割り込んだ前月からほぼ横ばいで、依然低い水準。総発電量は、201億5,135万kWh(対前年同期比10.4%減)だった。 炉型別には、地震に伴う東京電力柏崎刈羽全号機の停止に加え、引き続きの定検ピークにより、BWRの利用率は40.7%と低調気味、一方、PWRは81.2%と好調、両者に大きく開きが生じた。因みに、今夏以降、継続的に停止している(調整運転除く)炉を除くと、全体の利用率は74.7%、BWRは65.9%、PWRは83.4%となる。 各発電炉ごとの設備利用率では、関西電力美浜3号機が104.9%をマーク、前月に続いて首位に立った。 定検に伴い停止していた東京電力福島第一1号機は11月3日、約10か月ぶりに発電を再開。定検中、非常用炉心冷却系ストレーナ工事などが行われた。 同じく定検中の東北電力女川3号機は同10日、発電を再開したものの、気体廃棄物処理系の「水素濃度高」警報発生のため、原子炉を手動停止、原因調査中。また、調整運転中の中部電力浜岡4号機では15日、原子炉冷却材浄化系で警報点灯、同系統が停止したほか、異音が確認されたため、原子炉を手動停止。点検・調査により、本事象は、流量計の設定値に起因するものと判明、異音を生じさせたと推定されるウォーターハンマーの配管等への影響もないことが確認されたため、計器に所要の変更を施した上、30日に原子炉を起動した。 |