[原子力産業新聞] 2007年12月13日 第2408号 <1面> |
五者協議会、原子力委に 第二再処理の予備検討を報告 FBR移行期対応が重要文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本電機工業会、日本原子力研究開発機構による「高速増殖炉サイクル実証プロセスへの円滑移行に関する五者協議会」は11日の原子力委員会に、第二再処理工場の予備的な検討状況を報告した。軽水炉からFBRへの移行期への対応の重要性などを提起している。 五者協議会は昨年8月にFBRの研究開発段階から実証・実用化段階への移行に伴う技術課題を検討するため「高速増殖炉サイクル実証プロセス研究会」(座長=田中知・東大院教授)を設置し炉分野、燃料サイクルの順で検討。すでに炉分野では今年4月に中間論点を発表している。 報告によると、同研究会は、@FBRサイクル検討に際しての視点追加の必要性A第二再処理工場で採用すべきプロセス選定上の視点B再処理プロセスプロファイルの必要性C国際協力D研究開発体制――などを検討。 軽水炉からFBRへの移行は、60年以上を必要とするため、軽水炉のインフラを有効に利用する必要があり、移行期はFBR平衡期(再処理対象がFBRの使用済み燃料のみ)に比べ遙かに複雑で、再処理プロセスの選定も困難な面が多いとした。このため、移行期と平衡期の整合を図る必要があり、2010年頃から原子力委員会が開始する第二再処理工場のプロセス選定を念頭に、情報の整備・整理が必要としている。 国際協力は我が国の研究開発成果・蓄積の正当な評価と実用化への貢献を前提に推進するとし、研究開発体制では「一元的で全体を鳥瞰したマネージメント」が不可欠と指摘。今後の再処理技術の在り方の検討の中核的機関を原子力機構とし、同機構のサイクル技術の検討体制を強化すべきとした。 研究会では今後、プロセス選定のロードマップ、物量・時間スケールの計算、回収ウランやマイナーアクチニド回収・リサイクルの影響なども検討する。 |