[原子力産業新聞] 2007年12月13日 第2408号 <4面>

鳥井東工大教授、電中研パネルで 「科学技術コミュニケーター」を

電力中央研究所は11月15日、都内で「環境の時代における原子力」と題するパネルディスカッションを開催、この中で、コーディネーターを務めた鳥井弘之・東京工業大学原子炉工学研究所教授は、「科学技術コミュニケーター」を通じた理解促進ネットワーク作りを提案した。

研究報告に続いて行われたディスカッションで、内山洋司・筑波大学システム情報工学研究科教授が、30年の世界のエネルギー消費、温室効果ガス排出のデータを示した上、「発展途上国でも原子力を導入せざるを得なくなる」と予測し、特にアジア地域への技術移転の必要を強調した。

また、リスクコミュニケーションに関連して、航空評論家の中村浩美氏は、飛行機を例に「100%落ちないとはいえない」というリスクを受容し、便益とのバランスを見極めた上で人々は利用していると述べ、一方、内山教授は、マスコミによる扇動的な報道を危惧した。これらを受け、鳥井教授は、一般市民による「科学技術コミュニケーター」を活用した理解促進の必要を訴えた。


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