[原子力産業新聞] 2007年12月20日 第2409号 <1面>

放射性廃棄物小委 高レベル最終処分 方針・計画改定案決まる 立地選定を数年延期

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の放射性廃棄物小委員会(委員長=森嶌昭夫・日本気候政策センター理事長)は、18日の会合で特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針と同計画の改定案を取りまとめた。精密調査地区選定時期を現行の平成20年代前半から同中頃に、最終処分施設建設地選定時期を同30年代後半から同40年代前半に延期した。最終処分開始時期は現行通りの同40年代後半とした。

計画の見直しは、これまでの文献調査への応募情勢を踏まえたもの。前会合で最終処分開始時期は変更しない、という方針で一致していたが、エネ庁は各選定ステップでは数年程度遅れを見込むとの計画を示し、同委員会もこれを了承した。

計画ではこの選定時期とともに、高レベルとTRUは単独処分と併置処分が可能で、地元の意向なども考慮し今後、原子力発電環境整備機構(NUMO)が決定していくと記載。TRUの発生量と処分施設の規模や能力の規程も追加した。

基本方針では、@同事業の必要性・喫緊性A技術開発の連携・協力B国民の理解増進に向けた関係者の役割C交付金制度に基づく地域支援措置――などを追加・明示。

開発では科学的研究に加え、国民の理解増進のための社会的側面に関する研究も進めることが重要とした。この国民の理解増進では関係者が相互に連携する重要性や役割など、記述内容を大幅に拡充。交付金制度による立地地域支援の必要性も明記した。また、法改正の関係ではTRU処分の基本的方向の規定、拠出金の拠出義務を課す事業者として再処理施設等設置者も追加した。

エネ庁では、改正案について原子力委員会の意見を聴くとともにパブコメに付し、最終案を策定、その後閣議決定の予定。


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