[原子力産業新聞] 2007年12月20日 第2409号 <6面>

原子力機構 ITER遠隔実験に目途 独からJT−60操作成功

日本原子力研究開発機構はこのほど、ドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所から臨界プラズマ実験装置「JT―60」の遠隔実験に成功した。国際熱核融合実験炉「ITER」の遠隔実験、および幅広いアプローチ活動の中のサテライトトカマク計画に向け、中核技術の目途を得たことになる。

同物理研究所から那珂核融合研究所にある「JT―60」までの距離は約1万km。今回の成功は、原子力機構が開発した高度なセキュリティーと高速データ通信機能を併せ持つシステムの優れた性能を実証するもの。同機構では、システム計算科学センターが開発したグリッド・コンピューティング基盤ソフトウェアを進化させた技術を利用することにより実現した。

ITER計画では、日欧の幅広いアプローチにより、青森県六ヶ所村に国際核融合エネルギー研究センター内にITER遠隔実験センターを設置、日本からITERの遠隔実験に参加することが計画されている。

同センターは、ITER本体と高速ネットワークで結ばれ、日本において運転条件の設定、データ収集、解析などを実施。フランス・カダラッシュとの時差を利用して、ITERでの実験を効率的に行う。


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