[原子力産業新聞] 2007年12月20日 第2409号 <6面>

放医研 タミフル標識薬剤の合成に成功

放射線医学総合研究所はこのほど、インフルエンザ薬タミフルの生体内動態をPET(陽電子断層撮像法)で画像化するための標識薬剤オセルタミビルとタミフルの代謝産物の標識薬剤の合成に成功した。

オセルタミビルおよび代謝産物の標識薬剤は、放射性同位元素の1つである炭素11で標識化した人工合成薬剤。放医研のイメージング研究センター分子認識研究グループは、今回、新たに開発した技術によりタミフルの標識合成に必要な前駆体の新規合成に成功。さらに放医研が有する汎用放射薬剤自動合成装置により、標識合成中間体である塩化アセチルと、PETプローブのオセルタミビルの完全自動合成に成功した。

タミフルは、若者や子供に異常行動や突然死が報告され社会問題になっている。放医研では、タミフルに関わるヒト脳の研究が大きく進展すると期待している。


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