[原子力産業新聞] 2008年1月10日 第2411号 <1面>

原産協会 新年の集い開催 「信頼回復を第一に」

原産協会は7日、「原子力新年の集い」を都内のホテルで開催、会員企業、関係機関他、約1,300人が参集し、新しい年の幕開けを喜び合った(=写真)。

最初に、原産協会として挨拶に立った今井敬会長は、発電設備総点検、中越沖地震で立地地域住民に不安を及ぼした昨年を振り返った上で、原子力技術協会とも協力し、国民の原子力に対する信頼を回復することが「一番大きな仕事」と今年の抱負を述べた。さらに、環境問題が主要テーマとなる今夏の洞爺湖サミット、昨今の石油価格上昇などから、原子力発電が地球温暖化対策、資源・エネルギーの安定的確保の両側面で世界的に見直される「原子力にとって重要な年」と本年を位置付け、国内原子力開発にあっては、六ヶ所再処理工場の本格稼働、「もんじゅ」の運転再開といった核燃料サイクルの進展とともに、計画・建設中13基の着工・完成、運転中55基の稼働率向上を強く訴え、関係一同の理解・協力を求めた。

来賓として出席した新藤義孝経済産業副大臣は、6月に青森で開かれるG8エネルギー大臣会合などを通じ、資源外交の積極展開を図るほか、次世代軽水炉開発、高速増殖炉実用化といった原子力技術開発に官民一体で取り組む考えを表明した。

また、内閣府の岸田文雄・科学技術政策担当大臣も挨拶に立ち、昨年の「アジア原子力協力フォーラム」(FNCA)の成果を紹介し、原子力平和利用を国際社会に訴えていく重要性を述べた。

恒例の乾杯は、勝俣恒久・電気事業連合会会長の音頭で行われ、同会長は「原子力にはたくさんの課題があるが、皆さんと一致協力し、積極的にチャレンジすれば、今年は原子力のエポックメーキングの年にできると確信している」と挨拶した。


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