[原子力産業新聞] 2008年1月10日 第2411号 <2面>

原子力委 年頭所信を発表 国民理解や災害への強さ

原子力委員会は8日、今年第1回目の定例委員会を開催し、国民の信頼確保、自然災害に対する強さ、研究開発の戦略的推進、国際動向への対応などを重点課題とする年頭所信を発表した。

信頼確保では、国と電気事業者は国民の立場でリスク管理活動を絶えず検証し、地域社会や国民に丁寧に説明すべきと指摘。高レベル放射性廃棄物の調査区域の選定に向け、立地を受入れた自治体を国民が支援することなどに関し、理解活動を強化すべきとした。

自然災害では、地震学や耐震工学には新たな知見が年々増加、原子力事業を進めるにはこうした新しい知見をリスク管理活動に反映することが重要とし、バックチェック作業とその妥当性評価の速やかな実施を求めている。研究開発では、大型プロジェクトなどでの国際協力の重要性を指摘するとともに、原子力平和利用を巡る国際動向への積極的対応も要請した。

国民との相互理解を深めるため、同委員会としても市民参加懇談会やご意見を聴く会などを引き続き開催。第一線における理解活動に対する国民の意見を吸収し、関係機関への働きかけを強めたいとするとともに、国内と合わせ海外向け広報活動を充実したい、との意向も示した。


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