[原子力産業新聞] 2008年1月17日 第2412号 <1面> |
保安院が柏崎で住民説明会 「安心感醸成に最大努力」原子力安全・保安院は12日、中越沖地震を踏まえた調査・検討状況の説明会を柏崎市民プラザで開催(=写真)、住民ら約300人が参集し、国による地元への初めての説明を受け、活発な質疑応答が交わされた。 冒頭、薦田康久・同院長が挨拶に立ち、今後の被災地の着実な復興を祈願するとともに、地震直後に、柏崎刈羽原子力発電所の状況、避難の要否に関する情報提供が不十分だったことなどを住民らに詫びた。 調査・検討状況については、保安院の「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」を中心に行われた「自衛消防および情報連絡・提供の強化策」、「地震発生時の柏崎刈羽発電所の運営管理に関する評価結果」、「原子力発電所の耐震安全性」に関する審議経過・取りまとめについて各担当より説明した。 会場住民からは、03年の再評価で活断層の可能性が指摘された柏崎刈羽発電所沖合「F―B断層」に関連し、「保安院は東京電力に公正な安全審査を行っているのか」、「設置許可時の評価は適切だったのか」といった疑問の声や、風評被害の広がり、チェルノブイリ事故の再来に対する不安の声などがあった。一方で、「安心は人それぞれ。住民一人一人が安心感を得るのでは永久に再開しない」と述べ、地球温暖化対策からも、原子力発電所の運転を再開した上で安全の実績を積むべきとする意見もあった。これに対し加藤重治・保安院審議官は、情報公開等を通じ、「一人でも多くに安心感を持ってもらえるよう最大限の努力を注ぐ」と答えた。 同様の説明会は近く刈羽村でも開催の予定だ。 |