[原子力産業新聞] 2008年1月17日 第2412号 <7面>

地震関連WG 柏崎刈羽発電所で 評価結果は弾性範囲内

総合資源エネルギー調査会の構造WGと設備健全性評価サブWGは11日、合同会合を開催、東京電力が示した中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所・原子炉建屋の応答評価と同1・7号機の地震応答解析結果を審議した。東電は、各建屋の応答評価は弾性範囲内とし、1・7号機の応答解析でも主要設備の応力の算出値は全て許容応力以内との結果を示した。

原子炉建屋の応答評価は、(1)建屋及び地盤ばねともに線形A水平及び鉛直3成分を独立に解析B基礎上における観測記録を入力−−などの共通条件を設定し、シミュレーション解析した。

それによると3・4号機を除く各号機は、実際の観測記録を比較的良好に再現し、原子炉建屋の最大応答せん断ひずみは、日本建築学会によるせん断ひび割れ発生の目安値をかなり下回った。3・4号機は観測記録との整合性向上について、更なる検討を実施したいと説明した。

1・7号機の地震応答解析は、原子炉圧力容器(基礎ボルト)、炉心支持構造物(シュラウドサポート)、残留熱除去系配管、残留熱除去系ポンプ(基礎ボルト)、主蒸気系配管、原子炉格納容器(ドライウェル)などの主要設備の構造強度評価とともに、制御棒挿入性、残留熱除去系ポンプなどでは動的機能維持評価も実施した。

1号機では主蒸気系配管が許容応力310N/平方mmに対し算出値290N/平方mm、7号機では残留熱除去系配管が同じく270N/平方mmに対し算出値200N/平方mmと最も厳しいが、その他の主要機器では算出値を許容値が大幅に下回る結果となった。

このほか本会合では原子力安全・保安院が、東京電力が提出した7号機の設備点検における確認方針を示した。


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