[原子力産業新聞] 2008年1月24日 第2413号 <3面>

オーストラリアで4番目となるハネムーン鉱山 新鉱山が年内操業へ

南オーストラリア州政府はこのほど、ウラニウム・ワン・オーストラリア社(加ウラニウム・ワン社の豪法人)が申請していたハネムーン鉱山の開発プロジェクトを正式に承認した。同社は、年末をメドに操業を開始したい考えで、同国四番目となるウラン鉱山プロジェクトは、ようやく始動することになった。

今回承認されたのは、ハネムーン鉱山の開発ならびに、閉山後に現状復帰させるリハビリテーション・プログラム。同鉱山は昨年1月に、連邦政府から10年間の輸出認可(2016年末まで)を取得している。操業開始に必要な残るいくつかの認可も、今年10〜12月頃に発給される見通しだ。

ハネムーン鉱山のウラン埋蔵量は約2,900トンUと見積もられている。ウラニウム・ワン社はインシチュリーチング法(鉱石を採掘することなく、鉱床中に酸またはアルカリ溶液を直接注入し、ウランなどを溶液中に溶かし出す方法)を採用し、年産400トンUを目指す。

南オーストラリア州東部に位置するハネムーン鉱山は、1972年に鉱床が発見された。その後ウラニウム・ワン社は1981年、同州および連邦政府から年間450トンU規模の生産を許可され、年産110トンU規模のパイロット・プラント(=写真)が建設された。

しかし労働党政権下の1984年から1996年にかけ、「三鉱山政策」として、輸出可能なウランをレンジャー、ナバレク(1988年に閉山)、オリンピック・ダムの3つの鉱山に限定する施策がとられた。これは、オーストラリアは国内のウラン需要がほとんどないため、実質的に3つの鉱山以外でのウラン生産を禁止したもの。ハネムーン鉱山などその他の開発予定鉱山に与えられていた暫定的な開発許可は、すべて取り消された。

その後1996年、保守連合政権(自由党・国民党)の誕生に伴い、「三鉱山政策」は連邦レベルでは事実上廃止され、ビバリー鉱山が開発された。しかし、鉱山の開発権は州政府が付与する権限を有しており、労働党が各州の政権を握っていたため、ウラン鉱山の新規開発は依然、停滞していた。

労働党は昨年4月、同党が長年にわたって堅持してきた「三鉱山政策」を正式に撤回。以前よりウラン鉱山開発に意欲的だった南オーストラリア州のM.ラン首相(労働党)は、ウラン鉱山開発の積極的な拡大を示唆していた。


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