[原子力産業新聞] 2008年1月24日 第2413号 <3面>

米ワッツ・バー2号機プロジェクト WHも建設に参加

ウェスチングハウス社(WH)は18日、テネシー峡谷開発公社(TVA)が進めるワッツ・バー2号機の建設再開プロジェクトへ、総額2億ドル規模の機器およびサービスを供給すると発表した。同プロジェクトの主契約者は、米エンジニアリング大手のベクテル・パワー社が担当しており、2012年の運開を目指している。

WHは、原子炉冷却ポンプ、計装制御系システムなどの機器を供給するだけでなく、確率論的リスク評価(PRA)や原子炉蒸気供給システム(NSSS)設計、安全性解析、認可申請のサポートなど、関連サービスも提供する

同プロジェクトは、1985年に工事進捗率80%で中断されたワッツ・バー2号機(WH製120万kW級PWR)を、5年間、24億9,000万ドルを投じ、年内に着工、2012年に運開させるもの。原子炉建屋、タービン建屋、コントロール建屋や冷却塔など主要施設は建設済みだ。

同機はこれまで長期保存状態に置かれていたが、機材の中には、原子炉冷却ポンプやバルブ類など、TVAが所有・運転する他の原子力発電所に流用されているものもある。またツイン・ユニットである同1号機と同様のアップグレードを施すことも考慮すると、現時点での2号機の工事進捗率は60%と見積もられている。建設の規模としては、同じくTVAが実施したブラウンズフェリー1号機の運転再開プロジェクト(昨年5月に完成)に近い。

TVAは昨年8月に、ワッツ・バー2号機の建設再開プロジェクトを正式決定した後、同10月に主契約者としてベクテル・パワー社を選定。同機はすでに1973年に建設認可を取得(2010年まで有効)していることから、米国で浮上している数多くの建設プロジェクトとは一線を画している。

今後TVAは、建設作業を開始する120日前までに、原子力規制委員会(NRC)にワッツ・バー2号機の建設再開を正式に通知。建設作業と並行してNRCへ、安全解析書の最終版や環境影響評価報告書等を添え、運転認可を申請する。またNRCも、同認可の発給に先立って独自の環境影響評価を実施する。


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