[原子力産業新聞] 2008年1月24日 第2413号 <4面>

三菱重工 放射線治療装置事業を本格化 最新鋭X線がん治療装置が薬事承認

三菱重工業は22日、高精度画像誘導などの最新技術を搭載したX線がん治療装置で厚生労働省の薬事承認を取得し、放射線治療装置事業を本格的に展開すると発表した。

同装置「MHI―TM2000」(=写真)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け、京都大学や先端医療センターとともに開発した。

X線照射口に世界で初めて首振り機構を採用し、照射方向の微調整が可能。装置内には治療用とは別に、体内撮像用のX線イメージングシステム2対を搭載、患者の体内を立体的に把握し、素早く正確に患部に照射照準を合わせ、短時間でピンポイント照射できる。X線発生部には高エネルギー加速器研究機構と開発した小型加速管を採用、コンパクトに装置内に収め、自由な機械動作を可能とした。

同社は装置の販売・サービスのため05年に「MHIメディカルシステムズ」をコニカミノルタエムジー、三菱商事、西華産業と合弁で設立しており、今月16日の薬事承認取得を機に、合弁会社での営業活動を本格的に開始する。また、すでに米国食品医薬局(FDA)の認可を取得しており、海外市場ではドイツのブレインラボ社と協業、当面、OEM(相手先商標製品)販売する。

三菱重工は3年後に年間100億円規模への事業拡大を計画、06年10月に広島製作所内に設置した専門工場を近く増強、年産20台体制にする。


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