[原子力産業新聞] 2008年2月21日 第2417号 <2面>

六ヶ所核融合施設でも入札開始 欧州とのBA協力 まず建屋や機械設備

日本原子力研究開発機構は、国際熱核融合実験炉(ITER)や核融合原型炉建設に向けた研究開発を行う日欧間の「幅広いアプローチ(BA)」合意に基づいて、青森県六ヶ所村に建設する研究建屋など12件の案件について、同機構ホームページを通じて初めて公募し、21日までに申し込みを締め切った。

BA関係では先の臨界プラズマ試験装置(JT−60、茨城県那珂市)を解体・再構築する「サテライト・トカマク事業」の入札開始に次ぐもので、国際核融合材料照射施設と国際核融合エネルギー研究センターの建屋と機械設備など。

主なものは、国際核融合材料照射施設での工学実証・工学設計(IFMIF−EVEDA)事業を行う開発試験棟の建設工事、国際核融合エネルギー研究センター管理研究棟などの新築工事、それらに伴う機械設備、受電設備、配電設備、構内道路整備など。

例えばIFMIF−EVEDA開発試験棟は、鉄骨造り、一部鉄筋コンクリート造りの平屋建て、建築面積約2,000mで、加速器試験設備からの放射線を遮蔽するコンクリート躯体および放射性同位元素(RI)を使用する放射線管理区域を設定する部屋が求められている。工期は2010年3月15日まで。

国際核融合エネルギー研究センター管理研究棟などの新築工事では、@管理研究棟=鉄骨造り地上3階建て、建築面積約1,500mA計算機・遠隔実験センター棟=鉄骨造り地上2階建て、建築面積約2,150mB原型炉設計・R&D調整センター棟=鉄骨造り平屋建て、建築面積約1,430m――工期は@が09年3月、A・Bが10年3月まで。

落札方法は、計12件のうち比較的大型の入札は、価格と価格以外の要素を総合的に評価して落札者を決める総合評価落札方式(簡易型)とし、そのほかは一般競争入札。入札および開札日は3月13日、14日など。

サテライト・トカマク事業を除いて、六ヶ所村の再処理工場の道路を挟んだ南側に建設される予定施設には、国際核融合エネルギー研究センターに日本が172億円、欧州が8,100万ユーロ、国際核融合材料照射施設での工学実証・工学設計活動に日本が70億円、欧州が9,700万ユーロ(いずれも05年5月の為替レート。欧州側の大部分は物納)を出資することになっている。

   ◇   ◇   

同機構は2月1日付けで、BA活動対応などで青森市新町に青森連絡事務所を設置した。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.