[原子力産業新聞] 2008年2月28日 第2418号 <4面>

東芝 高速炉研究棟を開設 国内最大級のNa循環設備

東芝は、ナトリウム冷却高速炉の研究開発体制を強化するため、横浜事業所内に大型の高温液体ナトリウム循環設備(=写真)を設置した高速炉研究棟を開設した。

研究棟は、原子力事業の中核である磯子エンジニアリングセンターに隣接。鉄骨造3階建、延床面積1,000平方mで、昨年4月に着工、投資額は約20億円。

高温液体ナトリウム循環設備は、国内メーカーの試験設備としては最大級の加熱・冷却能力と流量を有し最高温度600度C、1立方m/分が可能。将来、10立方m/分までの拡張も予定しており、FBR実機の温度と流量を模擬した試験も実現するとしている。

同社では、高速炉のシステム設計や解析手法の検証に必要なデータを取得するとともに、液体ナトリウム用のポンプ、蒸気発生器、計測器などの開発も進める計画。大出力高速炉と併せて、同社が電力中央研究所との共同開発により、2010年代後半に実用化を目指している小型高速炉「4S」の実現にも拍車をかける。

磯子エンジニアリングセンターの設計・エンジニアリング部門と研究開発部門が緊密に連携、開発の加速化と効率化を進める。


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