[原子力産業新聞] 2008年3月6日 第2419号 <2面>

原子力は石油の1/3 発電原価試算 資源高騰で差 拡大

原油価格や鉱物資源の高騰を受け、石油火力発電の発電原価が04年1月の試算時の約2倍に達している一方、原子力発電の発電原価はウラン精鉱価格がこの間約9.4倍になったにも関わらず約13%の微増に留まり、原子力発電が安価で、しかも低位安定していることが立証された。

東京電力の元副社長だった池亀亮氏が試算したもので、04年の総合資源エネルギー調査会のコスト等検討小委員会が取りまとめたときの条件をベースに、燃料費に対して昨年末の燃料価格、為替を反映させた。

それによると、1kWh当りの電源別発電原価は、原子力6.0円(コスト小委では5.3円)、石油火力20.1円(同10.7円)、液化天然ガス9.6円(同6.2円)、石炭火力7.0円(同5.7円) となり、特に石油火力が約1.9倍、液化天然ガスが1.5倍にも高くなった。

試算条件としては、為替が1ドル=110.4円(コスト小委では122円)、ウラン精鉱価格が95.0ドル/ポンドU3O8(同10.1ドル)、石油が90.7ドル/バレル(同27.4ドル)、液化天然ガスが5万2,710円/トン(同2万8,090円)、石炭が76.5ドル/トン(同35.5ドル)とした。

この結果、1kWh当りの発電原価は、石油火力が原子力発電の、04年1月発表時の約2倍から、昨年末では3.4倍に差がさらに開いた。


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