[原子力産業新聞] 2008年3月20日 第2421号 <1面>

フルMOX ABWR 電発大間、5月着工へ 二次審査の実質審議終了

電源開発は17日、大間原子力発電所(=写真は完成予想図、フルMOX燃料、ABWR、138.3万kW)の着工時期を、今年5月とする設置許可申請補正書を経済産業大臣に提出した。同発電所の着工は、原子力安全委員会の耐震安全性審査の長期化で延期されてきたが、今月12日に同委員会の専門グループの実質的な審議が終了し、着工時期がほぼ確定できる状況となった。

同社は昨年8月に同発電所の着工時期の再延期を発表したが、この際に着工時期は今後の審査状況を見極めた上で、改めて公表するとした。

今回の補正書提出は、同委員会の審議状況を考慮したもの。同委員会・原子炉安全専門審査会の第109部会で耐震設計などを審査するCグループの実質的な審議が終了。近く同部会や同審査会に報告を上げる予定。このため来月中にも同委員会は経産省に、設置許可を妥当と答申する見通しとなった。

補正書の主要事項は、着工時期の昨年8月から今年5月への変更、地質・地震・耐震設計に係る記載の充実と適正化、火災防護審査指針改訂の反映、BWR軽水炉のMOX燃料使用実績データの更新など。

同発電所の設置許可申請書の提出は04年3月で、経産省は05年6月に同委員会に諮問したが、耐震指針改訂後の初めての審査でもあり、同委員会での審査は約3年を必要とした。

当初、06年8月を目指した着工は約2年遅れとなるが、同社では建設工程の短縮を検討する方針で、現段階で運転開始予定の12年3月を変更していない。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.