[原子力産業新聞] 2008年3月20日 第2421号 <1面>

志賀2運転再開へ 地元自治体も了承

06年7月の低圧タービン損傷事故以来、停止してきた北陸電力・志賀原子力発電所2号機が近く運転を再開する見通しとなった。原子力安全・保安院は14日、同発電所の保安活動は適切とする「特別な保安検査」の結果を発表。同社は同日、石川県と志賀町に2号機の再起動を申し入れた。これを受け、県の原子力環境安全管理協議会と町議会全員協議会は16日にそれぞれ、再起動容認を決定した。

同社は今月4日に、定期点検(07年2月開始)の中で実施した2号機全設備の総点検結果とともに、不適切事案の再発防止策の実施状況について、全て目標を達成したとする報告書を保安院と地元自治体に提出した。

一方、保安院は総点検や再発防止対策の実施状況を確認するため、特別原子力施設監督官を派遣、定期検査での「特別な検査」や保安検査体制の強化と期間延長による「特別な保安検査」を実施してきたが、今月6日までにこれを終了。14日の「適切に保安活動が実施されている」との通知は、両検査の結果に基づく。すでに定期検査の内、停止中に可能な検査は完了しており、これにより再起動後に必要な定期検査をクリアすることで、運転再開が可能となった。

このため永原功社長が山岸勇副知事、松長賢副社長が細川義雄町長をそれぞれ訪ね、再起動を申し入れた。県の協議会では審議の後、山岸副知事が再稼動は問題ないと取りまとめたいとし、全会一致で了承した。

石川県の谷本正憲知事は近く、県として再起動の了承を同社に伝える見通しで、2号機は、再起動後の定期検査が終了次第、約2年ぶりに運転を再開することになる。


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