[原子力産業新聞] 2008年3月20日 第2421号 <2面>

耐震設計小委 半年で16サイト評価 複数のサブWGを設置 耐震チェック集中的に

総合資源エネルギー調査会の耐震・構造設計小委員会構造ワーキンググループ(主査=西川孝夫・首都大学東京名誉教授)は新潟県柏崎市で開いた11日の会合で、今月末までに各原子力サイトから提出される耐震バックチェック報告に対応し、サブワーキンググループの設置を決めた。

同WGは現在、中越沖地震を踏まえた柏崎刈羽の安全性の検討、および浜岡3・4号機と六ヶ所再処理事業所の耐震バックチェック内容の妥当性を検討している。今月末には、これら3サイトを除く16サイトが耐震バックチェックの中間あるいは最終報告を提出、その後、東海再処理施設も報告を予定する。

サブWG設置により、多数の報告内容の妥当性を円滑に検討する。今会合で保安院は、3つのサブWGを設置、各サブWGの担当サイト案も示したが、委員からより円滑な検討が可能なサブWG体制を要請する意見が出され、保安院は再検討するとした。

各サブWGグループは、耐震安全性評価に重要なポイントを抽出し、集中的な検討により半年程度を目途に評価結果を取りまとめるとしている。柏崎刈羽と浜岡3・4号機は引続き構造WGで検討する。

また、今会合で東京電力は柏崎刈羽7号機の原子炉建屋の点検状況などを報告。今地震で生じたと考えられるひび割れの最大幅は0.3ミリメートルで、米国の電力研究所(EPRI)が重大な損傷とする、同約1.5ミリメートルを下回ったことなどを示した。


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