[原子力産業新聞] 2008年3月20日 第2421号 <2面>

核融合機材で受注続々 JT‐60改造、ITER納入機器など

日本原子力研究開発機構は、国際熱核融合実験炉(ITER)や次世代の核融合原型炉建設に向けた研究開発を行う欧州連合との「幅広いアプローチ(BA)」合意に基づく臨界プラズマ試験装置(JT−60、茨城県那珂市)の改造で、初めて実施した一般競争入札の18日開札分の結果を明らかにした。(4面にも関連記事)

それによると、ジャケッティング用コンパクション装置を日下部電機が約7,800万円で、平衡磁場コイル用ジャケットをイーエナジー社(神鋼特殊鋼の代理店)が約2億8,800万円で、平衡磁場コイル用超伝導撚線を古河電気工業が約14億1,800万円で落札した。

この他、超伝導導体用ジャケット溶接装置および長尺ジャケットの製作(第T期)、超伝導導体複合化設備および複合化導体製造(第T期)の2件は、最初に落札妥結会社はなく、その後の交渉で、2件共に日立設備エンジニアリング社が、各約2億5,700万円と、約1億9,400万円で受注した。19日にも他の開札が行われる。

「サテライト・トカマク事業」と呼ばれるJT−60の改造は、今後、コイルの超伝導化など7年をかけて建設し、3年運転の計画で行うもので、日本が計217億円、欧州連合が1億6,000万ユーロ相当の物納を分担して行うことになっている。

新しく生まれ変わるJT−60は、「JT−60SA」(スーパー・アドバンスド)と呼ばれる。

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一方、仏カダラッシュに建設するITER納入機器の11日の初開札で、落札会社がでなかった「トロイダル・コイル用ニオブ3スズ撚線(1)」と「超伝導コイル用導体」の2件については、その後、さらに入札を行い落札会社がでなかったため、最低金額を提示した会社と原子力機構が直接交渉を行った結果、前者を日立電線商事が約5億9,400万円で、後者を新日鉄エンジニアリングが約58億7,900万円で受注した。


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